NHKのクレジット情報紛失案件とは
2017年にNHKのクレジット情報紛失が公表された。(平成29年10月24日発表)
一年経過したからか、下記にあったおわびのPDFは削除された模様。まさか削除されるとは思わなかった。
http://www.nhk.or.jp/privacy/oshirase/171024.html
この件に関しての詳細は分かっているが公表されないのか、わかっていないのか、料金を支払い個人情報を管理されている視聴者としては気になる。
平成29年10月11日、保存期限の切れた帳票を廃棄処分するため、廃棄業者がNHKの施設(埼玉県川口市)から搬出し、静岡県内で溶解処理をする過程で、当該帳票が格納されているはずの1箱分(3306枚)が所在不明になっていることが判明いたしました。
クレジット継続払いをした契約者の情報の帳票を処分依頼していた廃棄業者が紛失。溶解処理のための運搬の途中で箱が紛失し、静岡県内で路上に帳票が散乱していたのを発見されたらしい。
なぜ箱がなくなったのか
そもそもなぜ個人情報書類を入れた箱がなくなるのだろう。
溶解処理の会社は荷室に鍵のかかる運搬車で書類を運ぶはず。そこから運搬中に落ちるとは考えにくい。(運搬車の荷室のドアが開いていたならもっと多くの箱が落ちたのではないか?)
NHKが委託した運搬業者は資源ゴミ収集のトラックのような車で行っていたのだろうか。
1年で7件の紛失案件
NHKの個人情報に関するお知らせのページを見ると平成29年(2017年)で7件の個人情報紛失事件がある。ほとんどが帳票の紛失だ。
法律によって料金の支払わせる権限を持っている公共放送としてリスク管理をどのようにしているのだろう。あるウェブサイトでは、NHKではデータをプリントアウトして帳票処理している、と書いていた。わざわざ電子情報をプリントするというのは考えにくいのだが。
契約者数が多いと事故も多くなるのは仕方がないとも言えるが、紙ベースで情報を集めていることも紛失の増加を助長しているのではないだろうか。
NHKはウェブサイト経由の情報管理を優先するべき
最近、自宅に(NHKの業務委託先の)若い集金人が来た。
「えーっと、〇〇さん(以前の住民の苗字)ですか?」と確認された。
違うと答えると新しく転居してきたのなら転居届を用紙に書けと要請されたが、紛失されても嫌だなと思って断った。入居から1か月も経っていなかったときで、NHKの住所変更は優先順位の高い作業ではなかった。ウェブサイトでやっておく、と断ると、「これは先延ばしにできないので今書いてください。今忙しいならいつ来ればいいですか?」と食い下がられ、忙しいからとドアを閉めようとするとクリップボードをドアに挟んで抵抗された。
今年の料金は前払いしている。次の払い込みまでに住所変更すれば請求書は届くのだから少々先延ばししても(集金人以外は)誰も困らない。それに、NHKはウェブサイトで転居届を出せる仕組みを持っている。紛失リスクのある用紙は避けたいだろう。わかっているだけで一年間に数件の紛失事故があるのだから、集金人にはまずウェブサイトでの入力を依頼させるようにNHKは指導したほうがいい。インターネットへのアクセスがない人にだけ用紙を渡すようにするべきではないだろうか。
NHKは集金を外部委託し、委託先の会社に携帯端末を含むシステム一式を使用させているようだが、人口減少の時代にこの戸別訪問業務に人を投入することは社会全体の無駄ではないか、と思う。
NHKの手に渡る情報を最小限にする
NHKに限らないが、管理の甘い組織には情報を渡さないほうがいい。一番いいのはTVセットを持たずNHKに料金支払いをしないことだ。しかし、TVが必要な場合は料金を支払うのは現金による決済が今のところの最善策ではないか。
自分の場合はコンビニ払いに変更した。コンビニ払いは割引のある銀行引き落としやクレジット払いに比べると高いが、リスクを管理するための費用と考える。
値引きとリスクの比較
NHKはクレジット払いや銀行引き落としにすると割引がある。クレジットや引き落としだと継続払いしてもらえるし集金コストも減らすことができるからだろう。
NHKは法律で存在が保証されている公共機関である。個人情報事故を起こしても顧客は逃げることないし民間企業のようにボイコットや不買運動を心配しなくてもいい。その点では多少コストをかけてでも個人情報を守ろうという動機づけは薄いはず。
そういう機関にカード情報を渡して数百円の割引きをしてもらうことが顧客にとって良い判断とは言えないと思う。
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