URでの多文化・外国人との共生

URには外国人住民が多い?

川口芝園団地

川口芝園団地

今の住まいは田舎で大きい工場などもあるエリアなので、安い労働力としての外国人を求める企業も多そう。URに限らず住まいの近所では外国人をよく見かける。団地内でも外国からきたと思われる(お互いの会話は母語)の住民が少しいる。
ただし団地内の案内に外国人向けの案内板などはない。

インターネットであちこちのURの団地を検索すると「〇〇団地 外国人」というサジェストが出るのでこれを検索する人は多いようだ。URは書類がそろっていれば保証人なしで借りられることもあり外国人が借りやすいというイメージがある。

自分が住んでいる団地の外国人の割合は市役所のウェブサイトにある住民基本台帳のデータによれば、4%程度だった。思っていたよりもかなり少ない。団地の場所や周辺の状況によってかなり違いがありそうだ。

外国人が多いとトラブルが多い?

外国人が多いかどうか気になるのはトラブルが多いかどうか知りたいからだと思う。

習慣の違いによって騒音問題やゴミの出し方、糞尿(国によっては許容範囲らしい)で団地内が汚くなるなどの課題が起きた団地もあるらしい。
外国人が団地に入居する際のルールの案内や生活情報の案内が不足している、ということも原因の一つ。

自分が住んでいる団地のまわりだと「外国製の家電がいっぱい捨てられている」などということはない。

「外国人との共生」といえば

URでの「外国人との共生」というテーマで取材される団地として有名な埼玉県の川口市の川口芝園団地がある。

川口芝園(埼玉県)|UR賃貸住宅
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上記のURのページの案内にも

交通利便性に優れる「川口芝園」には、さまざまな世代やさまざまな国籍の方が住んでいます。住民同士が安心して快適に暮らせるよう、URと商店会・自治会、大学などが連携してイベントを開催し、地域交流・多文化交流を行っています。

と書かれていて、URでも特徴の一つとして外国人が多いことをあげている。

この団地は特異な例ということもあって報道されることも多い。

東洋経済オンラインの記事のとおり、川口市には中国人コミュニティがあり、川口芝園団地だけに集中しているわけではないらしい。

日本語NG店も「川口」のディープすぎる街の姿
メニューは中国語だけで、日本語や英語表記は見当たらない。店員とのやりとりは基本中国語。片言の日本語や単語で行うが、わからない場合は苦笑いですごされる。この店があるのは中国ではない、埼玉県川口市だ。西…

こちらは実際に住んでいる記者の方の記事。

芝園団地に住んでいます 記者が住民として見た、「静かな分断」と共生:朝日新聞GLOBE+
私は埼玉県川口市の芝園団地に住んでいる。住民約5000人の半数あまりが外国人という、日本でも有数の外国人が多い地域だ。超高齢化社会と外国人住民との共生。日本の近未来の縮図とも言える団地から見えてきたのは、静かな分断と、それを乗り越えよ...

産経新聞のウェブには1年目の記者の記事と論説副委員長が書いた記事の2本。

【現場×記者】中国人の友達作りに川口芝園団地へ 異文化交流、楽しさと難しさ体感
 「川口に中国人がたくさん住んでいる団地があるから、中国人の友達を作ってこい」。デスクに命じられて、1年生記者の私はマンモス団地「川口芝園団地」へと向かった。…
【風を読む】祭りに見る近未来日本の縮図 論説副委員長・佐々木類
 祭りの後の寂しさも癒え、小さな秋の気配を感じる季節となった。今年もまた、日本の夏を彩る祭りが各地で開催された。博多祗園山笠もあれば、青森ねぶたなど東北三大祭…

NHKの番組「クローズアップ現代」でも以下の番組の中で紹介されている。

外国人労働者127万人 共生をどう進める? - NHK クローズアップ現代 全記録
【NHK】深刻な人手不足に直面する日本で、急速に進む外国人労働者の受け入れ。今やその数は127万人(去年)を超え、10年で2.5倍以上になった。こうした中、共生をめざした様々な取り組みが始まっている。2人に1人が外国人という地域の団地では、住民自身が試行錯誤を繰り返し、近隣トラブルを減らしている。ある建設会社では、外国...

この団地では自治会が様々な試みで外国人と日本人が交流しやすい環境を作ろうとしている。
特徴の一つは、この活動の推進の中心は記事にも登場する岡崎さんという方が専任しておられること。
こういう方がいらっしゃらないと難しい活動もあるのかもしれない。

NHKの番組では岡崎さんが

「私自身もどこまで続けられるかという気もします。」

とおっしゃっている。

URでは以前から取り組みがあった

URウェブサイトの資料を見ると2008年のセミナーに外国人に対する賃貸を考えるセミナーが開催されている。そのセミナーでのURの発表資料もサイトにアップされていたのだが、今は開催報告しか見当たらず、資料へのリンクが削除されている。

ページが見つかりません | UR都市機構

改正入管法後の団地

外国人労働者を積極的に受け入れる法律改正が成立し今後は様々な公営やURの団地に外国人の住民が増えていくだろう。
あちこちのURで大なり小なりトラブルが起こるだろう。

川口芝園団地のレベルで自治会運営があれば共生がうまくいくかもしれない。しかし記事を見るとかなり自治会活動のレベルが高い。誰でも簡単にできるという内容ではない。

専任担当者が必要に

入居時にトラブルが発生すると後々大変なので最初が肝心。受け入れのときにある程度時間をかけて生活の仕方を案内する必要があるが、契約を行うショップではできないので団地の事務所や自治会がその役割を担う。
しかし、何をどうすればいいのかノウハウのある団地は少ない。

ある割合(たとえば20%)以上の外国人率(逆にある割合(たとえば80%)未満の日本人率)になった団地にはURや、自治体、あるいは外国人を雇用する企業あるいは国などがお金を出して専任の外国人労働者受け入れ担当を置いたらどうだろうか。
外国人住民の方々がどんなことでも相談したいとなるには時間がかかると思うが、常駐している人がいるという状況は安心だろうし、仕事としてやっている人がノウハウをためて行くことができる。

高齢化する自治会のボランティアに任せるのは無理だと思う。

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